
【社長のメッセージ】2026/2/06
先月、私は「アート鑑賞を通じて、見えない背景を読み解く力を磨こう」という話をしました。今日は、その力が生み出す「素晴らしい顧客体験」について、私が先日体験した実話をもとにお話しします。
1杯のラーメンが教えてくれたこと
先日、飲み屋の帰りに3人でラーメン屋に入りました。注文したのは、生ビール3杯と、餃子、唐揚げ、そして「1杯のラーメン」です。
そこで、素晴らしい体験をすることができました。 店員さんが「取り分け用の器を用意しましょうか?」と声をかけてくれたのは、よくある光景かもしれません。しかし、運ばれてきた器の中を見て、私たちは感激しました。器の中に、海苔とウズラの卵が一つずつ、丁寧に入れられていたのです。
その器にラーメンを移すと、それはもはや「小分け」ではなく、見た目も美しい「小ラーメン」という一品に生まれ変わりました。3人で1杯のラーメンを分け合うという私たちの状況を観察しての対応でした。
さらに、店を出る際には小走りで玄関先まで見送りに来て、「外は寒いのでお気を付けて。またのご来店をお待ちしています。」と温かい言葉を添えてくれました。
最高の顧客体験は「設計」と「徹底」から生まれる
このラーメン屋の体験は、店員のとっさの判断でおこなわれたナイス・プレーではないはずです。 「3名で1杯の注文なら、こう配慮しよう」「最後は外まで見送ろう」という顧客体験の綿密な設計が経営層や店員によってなされ、それが全ての店員に徹底されているからこそ、唯一無二のお店になっているのです。
これは、私たちのビジネスでも全く同じです。 私たちが売っているのは、単なる「計測機器」というモノではありません。その先にある「この会社の計器を使うと、仕事がスムーズに進む」、「この会社の計器を持たせた社員の顔が自信に満ちて見える」。そんな、スペックの先にある「安心感」や「誇り」という「顧客体験(CX)」こそが、お客様が飯島電子を選ぶ唯一無二の理由になります。
私たちの仕事における「海苔とウズラの卵」を振り返る
AIは私たちだけでなく、ライバル企業の社員にも「平均的な正解」を提供する時代だからこそ、私たち人間にしかできない「海苔とウズラの卵」を添えるような仕事が価値を持ちます。
私たちがこれまで大切にしてきたアクションを振り返って見てください。
「製品の操作案内の際、常設の評価器を使ってお客様と同じ画面を見ながら説明する」
「酸素センサを交換したが、不具合が解消しなかったので修理に出したらケーブルの断線が原因だったことが判明した。 →酸素センサの引き換え券を差し上げる」
「保守期間が終了した製品でも、校正依頼は受け付ける」
「製品の保証期間が切れる直前にこちらから連絡し、無償対応の機会を逃さないようにする」
「クレーム対応後は、その後の調子伺いをする。少しでも不満が残っていることが感じられたら、上司からもう一度調子伺いをする」
これらは単なる業務ルールではありません。「効率」だけを考えれば不要かもしれない。けれど、お客様のことを自分の身内と考える私たちが大切にしてきた文化です。
唯一無二のチームへ
素晴らしい顧客体験は、誰か一人の天才が作るものではありません。「どうすればお客様に喜んでもらえるか」を全員で考え、徹底し続けることで生まれます。
皆さんがアート鑑賞で磨いている「観る力」を、今こそ目の前のお客様、そして共に働く仲間への「最高の体験設計」に活かしてください。 皆さんの現場にある「海苔とウズラの卵」は何ですか? 「また飯島電子と仕事がしたい」 そう言っていただける唯一無二の集団を、共に目指していきましょう。