未来につながる良いガマン

2022/02/03【社長のメッセージ】

 1月の単月売上は昨年度を下回ってしまいましたが、今期の累計売上は過去最高額を更新しています。しかし、最高額を更新する度に不安が募ります。
 当社は28年間黒字経営、無借金経営が続いています。これでは社内の危機意識が無くなるのも当然です。現在では創業当時の苦労を語ってくれる先輩方が少なくなっています。小さな外部環境の変化は、持ち堪えられるかもしれません。しかし大波が直撃したときに持ち堪えられないもろさがあります。
 危機的な状況を幾度と経験し、その度に一層強くなるトヨタ自動車とは対照的です。豊田彰男社長は「脱炭素に対応できなければ、100万人の雇用と15兆円の貿易黒字が失われかねない。」と必死の警告を続けています。トヨタ自動車が強い理由の一つが、危機感を全社員が共有していることだと思います。

 当社において、危機的な状況に備えて強化すべきは人材です。みなさんには半年前から朝礼で『なぜ僕らは働くのか』を音読してもらっています。池上彰さんが中学生、高校生向けに書いた本ですが、共感できる部分が多かったのではないかと思います。

 私は特に「良いガマン」と「悪いガマン」に共感しました。仕事の面白さや、やりがいを経験するためにはガマンが必要です。悪いガマンとは、やりたくないことや社会的に悪いことを無理やりやらされるガマンです。例えば、会社の方針だからという説明だけで納得できない作業をやらされるガマンは、する必要のないガマンです。
 一方、良いガマンは自分の成長につながるガマン、何かを成し遂げるガマンです。例えば自分で決めた目標の達成やカイゼン、読書などです。内容や件数の差はあっても正社員だけでなくパート社員にも必要なガマンだと思います。必ず報われるガマンです。
 「給料が支給されているのだから、上司の命令にはガマンして従うべき」という考え方は、作れば作っただけ売れた昔の話です。現在では時代遅れな考え方です。自分の人生は、自分の自己実現のために使う権利があります。社員ひとり一人の得意や強みを上手に組み合わせて、社会貢献とそれを生み出す会社の存続に結びつけるのがリーダーと社長の仕事です。

 私たちを悩ます目の前のガマンが、未来につながる「良いガマン」なのか、自分を苦しめるだけの「悪いガマン」なのかを自分で判断し、行動に移すことが出来る人は、自立した人だと言えます。
 当社はこのような自立した人を増やしていくことで、大波を受ける度に強くなる組織にしていきたいと考えています。