早く行きたければ一人で行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。

【社長のメッセージ】2026/07/03

「早く行きたければ一人で行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。」

 アフリカのことわざとして知られるこの言葉は、「一人で進むと小回りが利き素早く動けますが、困難を乗り越えてより大きな目標や長期的なビジョン(遠い場所)を達成するには、仲間と協力し合うことが不可欠である」という意味で、組織づくりやリーダーシップの話題でよく引用されます。

 私も、この考え方には大いに共感しています。しかし、私はこの言葉に一つだけ付け加えたいことがあります。それは、「最初からみんなで考えることが、必ずしも最善とは限らない」ということです。
 新しいアイデアや改善策を考えるとき、最初の段階では、一人でじっくり考える時間がとても重要だと思っています。
 会議では、発言力のある人や経験豊富な人の意見に議論が引っ張られがちです。その結果、本来であれば生まれていたかもしれない新しい発想や、控えめな人の良いアイデアが表に出ないまま終わってしまうことがあります。また、アイデアを考えること以上に、周囲との合意形成に多くの時間と労力を費やしてしまうことも少なくありません。
 だからこそ、第一段階では、一人ひとりが自由に考え、自分なりの答えを持つことが大切です。

 そして第二段階で、そのアイデアを持ち寄り、仲間の視点で磨き上げ、想定されるリスクを洗い出し、より完成度の高いものへ育てていく。この順番こそが、個人の創造力とチームの力を最も生かせる方法ではないかと考えています。
 この考え方は、日頃の問題解決にも当てはまります。
 部内で改善策を話し合う際も、最初から議論を始めるのではなく、事前に一人ひとりが自分の考えを整理し、メモにまとめてから意見交換をすると、より多様な視点が集まり、議論の質は大きく向上します。司会を務める人も、全員の意見を引き出す工夫をすることで、チーム全体の力をさらに高めることができます。


 私は、この考え方を最も体現しているのが、当社で年2回実施している「経営方針展開実施事項成果報告会」だと思っています。
 毎回、多くの素晴らしい発表がありますが、特に印象に残るのは、半年以上に渡り少しずつ改善を積み重ね、自らPDCAを回してきた活動です。そうした発表には深みがあり、発表者自身も内容を十分理解しているため、自信を持って説明し、聴いている人とのやり取りも楽しんでいる様子が伝わってきます。

 一方で、発表直前になって短期間でまとめた活動は、どうしても内容が浅くなりがちです。
 当社の社員は、日々の業務をこなしながら経営方針展開実施事項に取り組んでいます。同じ時間を使うのであれば、慌てて仕上げるよりも、早めに取り掛かり、細く長く改善を積み重ねる方が、最終的には、はるかに大きな成果につながります。

 「早く行きたければ一人で行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。」

 私は、この言葉を少しだけ言い換えたいと思います。

 「良いアイデアを生み出したければ、まず一人で考える。そして、そのアイデアを遠くまで届けたければ、仲間と力を合わせる。」

 一人で考える時間が独創性を育て、仲間との対話がその価値をさらに高めます。

 私たちが目指すのは、一人の力だけで早く進む会社ではありません。一人ひとりが主体的に考え、その知恵を仲間と持ち寄りながら、10年先、20年先まで成長し続ける会社です。
 次回の成果報告会は12月23日、24日に開催します。早めに取り組み、試行錯誤を積み重ねた成果を聞かせてもらえることを、今から楽しみにしています。