イケオジから学ぶキャリア戦略

2022/04/01【社長のメッセージ】

 今年も前途有望な新入社員が入社してくれました。Kさんの特技は、実験で短期間に再現性のある良いデータを出すことだそうです。研究で成果を出すためには、とにかく再現性のあるデータを出すことです。Kさんは本物の研究者の匂いがします。みなさん、仲良くしてあげてください。

 最近、イケオジ(イケてるオジさん)の方々に触れる機会がありましたので、皆さんに紹介したいと思います。

 一人目はミュージシャンの野呂一生(のろ いっせい)氏 65歳。1977年に結成したフュージョン・バンド:カシオペアのギタリストです。歌のないインストバンドながら発売されるアルバムは上位を賑わせていました。私が中学生だった頃(約40年前)、友人の影響を受けて熱心に聴いていました。2度の活動休止後、再開して現在に至ります。
 先日偶然、ネットで2020年におこなわれたライブ動画を観たのですが、40年ぶりに再会した野呂氏のギターテクニックは言わずもがな、綺麗に整えられた白髪で、演奏中は観客と会話を楽しむように、ずっと笑顔で演奏している姿を見て、心が震えました。

 二人目はユーチューブで水彩画を教えている柴崎春通(しばさき はるみち)氏 75歳。2017年からユーチューバーとなり、現在のフォロワーは100万人を超えています。水彩画のテクニックを初心者にもわかるように丁寧に、温かく語りかけながら教えています。ファンからは「柴崎さんの動画を子守歌代わりに聞いています。」、「私のおじいちゃんになってください。」とメッセージが送られてくることもあるそうです。9.11同時多発テロの殉職警察官遺児のためのチャリティ展を行い、ニューヨーク市警察栄誉賞受賞をしている日本を代表するプロの水彩画家です。

 二名のイケオジに共通する点が複数あります。超絶技術力が高いこと。その技術を活かして周りの人を幸せにしていること。そのことを喜びとしていること。印象的なのは、若い人に対しても偉そうにせず謙虚で、笑顔が素敵であることです。二名を見ていると、人生の縮図のようです。長い人生を経て今の結果があります。

 新入社員のKさんに伝えたいことは一つ。あなたの強みに集中して磨き込み、強力な武器にしてください。高い成果は、強みからしか生まれません。強みは必ず好きなことの中にあります。好きなことでなければ努力は継続できません。
 強みを磨き続けた結果、面白い仕事を得るチャンスがきます。好きなことで人に喜ばれる仕事ができる。これ以上、幸せな人生があるでしょうか。
 しかし50年以上、一生食べていける技術は無いかもしれません。私が好きで磨いた電子回路の技術は、今では市場価値が無くなってしまったと自覚しています。市場から必要とされる技術は変化します。変化するニーズに合わせて、軸足を少しずつ変えていくことで、常に必要とされる人材であり続けることができます。

 社会人人生をスタートする準備は整っています。あとは自分の強みを信じて、仕事と人生をおもいっきり楽しんでください。