お客様の声を聞くだけでは、新しい価値は生まれない

【社長のメッセージ】2026/09/04

 38期が終了しました。売上は前年と比較して■%増となり、経営方針で掲げた「売上成長率■%を生み出す人材と組織をつくる」という目標を達成することができました。
 これは、皆さん一人ひとりが、それぞれの仕事を通じて会社の成長に力を貸してくれた結果です。まずは一年間、本当にありがとうございました。
 9月から39期が始まりました。38期の成果を土台にしながら、今期もみんなで力を合わせ、さらに一歩前へ進む一年にしていきたいと思います。

 今月は、「新しい価値を生み出すこと」について話したいと思います。新製品の開発は、会社の将来の業績をつくる大切な仕事です。他社にはない性能や機能、そして「この製品があって助かった」と思っていただける価値をつくることで、価格だけではなく、その価値で選んでいただける会社になりたいと考えています。

 「iPhoneは、お客様の意見からは生まれなかった」と言われることがあります。
 これは、「お客様の声を聞かなくてよい」という意味ではありません。お客様は、今使っている製品について、「もっと小さくしてほしい」、「もっと安くしてほしい」、「もっと使いやすくしてほしい」、と要望を伝えることはできます。

 しかし、まだ世の中に存在していない製品や、自分自身でも気づいていない問題について、「こんな製品が欲しい」と具体的に説明することは簡単ではありません。
 だからこそ私たちは、「何が欲しいですか?」と聞くだけではなく、お客様の仕事そのものを深く理解する必要があります。

 そして、ただ現場を見るだけでは十分ではありません。知識がなければ、目の前で行われている作業を見ても、それが当たり前のことなのか、改善できるムダなのか、あるいは重大な問題につながる兆候なのか、に気づくことができません。
 「お客様は何をつくっているのか」、「なぜ、この工程が必要なのか」、「何を管理しているのか」、「どこで品質が決まるのか」、「どんな失敗を恐れているのか」、「測定した数字を見て、次にどんな判断をしているのか」 そんなことを、お客様以上に知ろうとするくらい勉強してみる。
 その知識を持って現場を見ると、「なぜ、この作業を毎回しているのだろう」、「なぜ、この数値を測っているのだろう」、「本当に知りたいのは、この数値そのものなのだろうか」、「もっと簡単に判断できる方法があるのではないか」という「問い」が生まれてきます。
 すると、「知識があるから、違和感に気づく」、「違和感に気づくから、問いが生まれる」、「問いが生まれるから、まだ言葉になっていないお客様のニーズを発見できる」

 この知識の流れに、私たちの会社がこれから成長していくための大きな可能性があると思っています。私たち計測機器メーカーの仕事は、お客様から言われた仕様の製品をつくることだけではありません。
 お客様の仕事を深く学び、お客様自身もまだ言葉にできていない問題に気づき、「そうそう、こんなものが欲しかった」、「これがあれば、もっと仕事が良くなる」、と思っていただける製品やサービスをつくることです。

 そのためには、私自身も含めて、まだまだ勉強しなければならないことがたくさんあります。製品のことだけではなく、お客様の仕事を学ぶ。知らないことがあれば調べる。現場を見たら「なぜだろう」と考える、そして、気づいたことを社内で共有する。

 一人ひとりが少しずつ知識を増やし、みんなの知識を持ち寄れば、会社として見えるものは大きく変わっていくはずです。39期も、私も皆さんと一緒に学び、考え、挑戦していきます。
 そして一年後、「今年も会社が一段成長した」と、みんなで実感できる一年にしていきましょう。