本気で生産性を上げる

2024/7/19【社長のメッセージ】

 6月末日、トライアスロンに出場し完走することができました。
 約半年間、みなさんが残業している最中に退社して、トレーニングをさせてもらいました。大変心苦しかったのですが、おかげで長く身体に染みついていた仕事への向き合い方に対して、意識が大きく変わる体験をしました。

 7月から基本給を上げることにしました。正社員の平均昇給額は 14,893円(+4.2%)、パート社員は62円/時間(+4.7%)です。この度の昇給は、物価上昇対策を意識していますので、基本給が低い社員の昇給額が大きくなっています。
 全国の大企業(分類:電機)の平均昇給額は16,648円(+4.7%)、中小企業(製造業)は8,954円(+4.2%)、パート社員は38円/時間 でした。(いずれも任意のアンケートに回答した優良企業の平均値ですので、実在する会社の平均昇給額はもう少し低いと思います。)
 今回の昇給額は、その他大多数の会社と比べて見劣りしない賃上げが出来たのではないかと思います。しかし、昇給は継続することが大切です。毎年+5%の昇給をするためには、売上を+3.5%ずつ上げていく必要があります。売上を上げるとは、全社員のアウトプットの量を増やすということです。

【 アウトプット = 生産性 × 投入時間 】

 私はこれまでアウトプットを増やすためには、「生産性」を上げる必要性を頭では分かっていたつもりでした。しかし、実際には遅くまで残業をしたり、休日も仕事をした疲労感で仕事をやっている気分になっていました。無自覚でしたが、恥ずかしながら生産性を本気で上げることから逃げていたのかもしれません。
 生産性を上げるプロセスは、初めて体験するスポーツ(スノーボードなど)に似ていると思います。 生産性は、興味に身を任せて頭と手を動かすことで自然に上がっていきます。しかし、いずれ限界が見えてきます。生産性を上げ続けるために必要なことは、学習による新しい知識の補充です。世の中の多くの中堅社員が自己の成長を感じなくなるのは、学習による新しい知識の補充がされていないことが大きな原因です。

 私はこれまで、会社の経営を預かる者として、私の労働時間は社内で一番多くあるべきだと考えてきました。しかし、この半年間は大変心苦しかったのですが、みなさんが残業している時間にトレーニングをさせてもらいました。おかげでトライアスロンを完走する体力が付いたのですが、同時に体調も良くなっているのを感じました。運動をすることは、人間にとって肉体だけでなく脳にも良いようです。運動によって脳への血流が上がり、脳を老化させる脳内のゴミを洗い流してくれるそうです。以前よりも睡眠の質が良くなり、目覚めが良くなりました。朝4:30に起きて、経営に関する専門書や一般教養の本を1時間読書してから出勤することが習慣になりました。結果的に出社してから18時までの仕事の質と量は、以前よりもアップしている感覚があります。
 残業で仕事の時間を増やすと短期的にアウトプットが上がったように感じるかもしれません。しかし、生産性は上がっていませんので、アウトプットの量はいずれ頭打ちになります。
 仕事に投入できる時間には上限がありますが、生産性に上限はありません。残業時間を減らすことで一時的にアウトプットが減るかもしれません。しかし、みなさんには一念発起して、残業時間を減らし、自己学習や運動する時間を作ることで将来の生産性を上げることにチャレンジしてもらいたいと思います。