2024/04/04【社長のメッセージ】
旅行は、どこに行くかより誰と行くかが大切と言われます。私は、プライベートでは一人でいることが多いのですが、旅行を企画するときは、目的地よりも誰と行くかを先に決めます。なぜなら私の旅行の目的は、大切な人と美しい景色や現地の美味しいものを体験する喜びを共有したいからです。私にとっての幸せは、大切な人を助け、喜びを共有することです。
全世界で1,000万部売られた名著、長く生存する会社の原則をまとめた『ビジョナリー カンパニー』の一節に、「誰をバスに乗せるか」という問いがあります。
「偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まず始めにバスの目的地を決め、次に旅を共にする人々を乗せる方法を取ったのではない。まず始めに適切な人をバスに乗せ、不適切な人を降ろし、その後にどこに向かうを決めている。」と書かれています。
会社を取り巻く環境は変化し続けているので、目標は必ずしも不変ではありません。常にベターな方向へ軌道修正あるいは、全く異なった方向に進む可能性だってあります。
バスに乗った理由が、「目的地が気に入ったから」であれば、環境の変化などによって、目的地が変わった場合、問題が発生します。しかし、バスに乗った理由が、「同乗者が気に入ったから」であれば、たとえ目的地が変わったとしても柔軟に対応することができます。「何をすべきか」ではなく、「だれを選ぶか」から始めれば、環境の変化に適応しやすくなります。
また適切な人たちがバスに乗っているのであれば、厳しく管理する必要はないし、やる気を引き出す必要もありません。そして自ら最高の成果を生み出そうとしてくれます。
当社の製品やサービス、それを生み出す社内の各工程は、当社の社員の進言や自ら頭と手を動かして作り上げてきたものばかりです。業務改善も1年間に500件を優に超えます。今の社員がいないと実現できなかったことがたくさんあります。まさに「誰をバスに乗せるか」で会社の成長は大きく変わります。
同書では、「適切な人材」とは専門知識、学歴、業務経験より、性格と基礎的能力である。と述べられています。私が考えるバスに乗って欲しい人を、荒削りですが言語化してみました。
バスに乗って欲しい人
・他者に役に立つことを喜びとしている人
他者から褒められることが目的になると、褒められないとやられなくなってしまします。人は他者から褒められたいという強い欲求があります。いずれは、他者の役に立つことをすること自体が喜びになるのが理想です。
・仕事も趣味も楽しめる人
要素に分解すると、成長意欲が旺盛で、何事にも目的を考えられる人です。意味付け力 ともいいます。
・他者からススメられたモノを、一度は食べてみる人
自分の成果や成長に必要と考えた事以外は時間の無駄と考えて、上司や先輩の提案を試させないのはもったいないです。想像していなかった点と点が繋がって市場価値の高い人になれます。そのような人を「従順な人」と呼んでいます。
・人を思いやれる人
周りに対して目配り、気配り、心配りが出来る人です。周りの人の些細な行動や変化にいち早く気づき、相手の立場に立って行動できる人です。
・自責の人
思ったように進めないときも「これからどうするか」だけを考えて行動し続けることが成長に繋がります。できない理由を他人のせいにしていては思考が停止し成長できないばかりか、大切な仲間を傷つけることになります。
バスを降りていく人
これまでの経験上、バスに乗って欲しい人の反対の人は、居づらくなってバスを降りていきます。その他として、
・心の平穏を何よりも優先して大切にしたい人
個人と会社の成長のためには適度な緊張感や一歩を踏み出す勇気が必要です。当社の先輩社員は最大限丁寧にサポートしますが、当社は心の平穏を何よりも大切にしたい人の意思を尊重します。
当社の社員が、このバスに乗ってくれていてよかったと心から感謝しています。これからも一緒にワクワクしながら同じ景色を見ていきたいと思っています。