2024/2/2【社長のメッセージ」
私は子供の頃、家の手伝いをサボって叱られている最中に言い訳をして、親から「素直になれ」と怒られることが多い恥ずかしい子でした。私にとって『素直な子』とは、育ちの良い優等生の様なまぶしい存在でした。
企業の求人広告に書かれている『求める人物像』の一つとして、『素直さ』があります。企業は応募者に自分を変えていける力を求めているためです。これは、みなさんも部下育成を通して経験していると思いますが、先輩のアドバイスや指摘を真摯に受け止められるかが、その後の成長に大きく影響するからです。
素直さは、個人や会社の成長に欠かせない大事な要素です。しかし、社内で素直さのイメージに個人差が大きいと感じることがありましたので、素直さについて私の考えを話します。
一般的に素直な人のイメージは、『先輩の教えを信じて、まずは言われた通りやってみる人』、『どんな事にもYESという人』ではないでしょうか。
しかし、私たちは、『分からなくても、分かったフリをする人』を素直な人だとは思いません。つまり、素直な人とは、『自分の心に素直な人』を指します。先輩の言っていることが理解出来なければ、「分かりません。」という人。先輩の言っていることが間違っているのではないかと思ったら、「私の理解が追いついていないようなので、もう少し詳しく教えてください。」と言える人ではないでしょうか。
私たちは素直の反対の人を、『批判的な人』と呼んでいます。ただし、先輩の話をしっかり聞いて理解した上で、反対の意見を述べる人は、素直な人です。批判的な人とは、批判することが目的になっている人のことです。具体的には、他者のアドバイスが個人的な感情から従いたくないという理由で、反対意見で応戦している人です。
分かったフリをする人が集まる職場より、分からないことは「わかりません」と言える職場は、職場が明るくなるだけではなく、意思疎通が活発になり、成長し続ける企業になれそうです。
先輩と後輩の大きな差は、持っている情報の量です。後輩は社内ルールやお客様の慣習等を詳しく知りません。自分の心に素直な新人ほど、先輩のアドバイスに対して疑問が湧いてきて、批判的な意見に聞こえてしまうことがあります。
我々先輩は、「素直さ」を再定義し、後輩の「分かりません」を歓迎する社風を作るメンバーでありたいと思います。
最後に、素直さは心がけだけでなく論理的な思考力が土台として必要であることも触れておきます。無思考に全てを従順に受け入れるのではく、他者が言っている事を論理的に間違っていないと判断したときは、個人的感情を切り離してスッと受け入れる。逆に、論理的に考えて筋が通らないと思ったら、自分が相手の真意を理解出来ていないと考えて、理解出来るまで相手に教えてもらう。このように頭をフル回転させながら相手から吸収しようとする姿勢こそが、私たちが目指す『素直さ』だと考えています。