公平な賃金

2023/12/1【社長のメッセージ】

 総務省によると国内の物価は、前年比:3.3%アップしました。当社は急激な物価上昇に対応するために、2022年11月にインフレ特別支援金を全社員に支給しました。その3ヶ月後に、基本給と各手当を一律5%アップしました。緊急対応として全社員一律の対応をしましたが、不公平な対応だったと反省しています。今後、2つの改善策を進めたいと考えています。

 高度成長期の日本は、年齢や勤続年数などに応じて、役職や賃金が上がっていく「年功序列」を採用してきました。目的は社員の生活を保障することで人材を囲い込むためです。当時は物不足だったため、作れば売れる時代でした。年功序列制で会社の人件費が年々上がっても、会社を維持することが出来ました。
 年功序列制にもデメリットはあります。会社に長く在籍するだけで給料が自動的に上がっていくため、「求められている以上の成果を出す」、という前向きな姿勢が生まれにくい環境になります。
 また生産性向上や貢献意欲の意識が高い若手社員ほど、「成果を上げても評価されない」ことに不満を感じ、モチベーションが徐々に下がってしまいます。若者が元気のない会社は、成長が止まってしまいます。
 日本は1990年のバブル崩壊以降、経済が停滞し市場競争が激化、コストを下げるために人件費を削減しなければならず、年功序列制を維持することが困難になってしまいました。
 現在、国内の75%を超える会社が、成果や業績に基づいて賃金や昇進などを決める、海外企業などで一般的な成果主義へ移行しています。当社は比較的早い時期に成果主義に移行しました。

 この度の物価上昇に伴う全社員一律の昇給は、時代にそぐわない対応でした。今後の改善策の1つ目をお話します。

 物価上昇はこれからも続くと思われます。今後は、個人の評価基準を一層明確にして、その結果に応じて昇給の予算を分配していきます。
 これはパート社員にも適用されることが望まれると思います。より生産性を上げる努力をして時給を上げたいパート社員もいるし、今は自身への負荷をこれ以上増やしたくないと考えている方もいると思います。それぞれのライフステージに合わせて働き方を選べる方が、一律時給を上げられて高い成果を要求されるよりも、末永く勤めてもらえると考えています。

 次に2つ目の改善策です。当社の業績は、みなさんの不断の努力のおかげで、最高売上高を更新し続けています。業績に連動して給料を上げたいと考えていますが、一旦上げると下げられないため、むやみに上げられません。
 しかし、半年ごとの個人評価の結果と、会社の業績に応じて、給料が下がるルールを明確にすることで、給料を上げやすくなります。

 この賃金制度は、社員のモチベーションアップになり、会社の成長を力強くけん引する力になると考えます。 評価制度と賃金制度は公平性と納得感が重要です。みなさんと一緒に個人の評価基準を改善していく予定です。