一流の接客スキルが差別化の鍵

2023/09/01【社長のメッセージ】

 今日から新しい期が始まりました。今期は飯島電子らしさである「使いやすさ」、「丈夫さ」、「アフターサービスが親切で速い」により多くの時間を投入して、当社のファンに喜んでもらえる改善を進めていきましょう。


 当社は高級会員制ホテルの会員です。まだ利用したことのない方にも、非日常のリラクゼーション体験をしてもらいたいと思います。
 私も利用させてもらいましたが接客は最高でした。一流の接客は、こちらから求めていないのに積極的に提案をしてくれますし、所作が堂々としています。ヘコヘコしていたり、へりくだり過ぎてはいません。

 一流の接客スタッフは、「お客様の潜在ニーズに対応ができる」という特徴があります。表にあらわれている顕在ニーズに対し、お客様自身も気付いていない潜在ニーズにも対応ができるということは、お客様のことを深く考え、先を読み、行動に移すという力があるということです。一流の接客スタッフは、お客様の発言・声のトーン・話す速度・目線・動きなどから、お客様の状況や次の行動を先読みし、行動しています。

 以上の前振りは、アフターサービスに一層力を入れていきましょう、という話ではありません。
 独占市場ではない限りライバル会社が存在します。ライバル会社と同じ情報しか持っていなければ、論理的に、そして合理的に経営判断をすれば同じ答え(戦略)になります。
 そして、その市場はやがて競争が激しくなり、そこで戦うためにはひたすらスピードとコストを武器にして、従業員を疲弊させていくしかありません。これが現在、多くの日本会社の陥っている状況です。
 言わずもがなライバル会社が持っていない価値ある情報をつかむ事が重要です。インターネット上の誰でも取得できる情報に、製品やサービスの差別化につながる情報はありません。また、お客様に電話で定型的な質問をしても、ライバル会社が持っていない価値ある情報を得ることは、50年以上の歴史を持つ当社においては難しくなってしまったと思います。

 人の気持ちを察することが先天的に優れている人がいます。一方で、飲食店などサービス業界で長年接客の仕事をしているスタッフでも、お客様の気持ちを察するのが苦手なスタッフはいます。しかし、繰り返しの訓練で上達できると言われています。
 当社は業務分担表に従い、営業部に所属する社員がお客様の潜在ニーズを取りにいく役割になっています。お客様の潜在ニーズが取れるか否かが、製品とサービスの差別化の源泉であるなら、営業担当者の必須スキルとして、しっかりと訓練が必要です。
 しかし、一定の訓練期間が必要となりますので、他部署からも潜在ニーズを察することに長けた人材が現場に同行するようにお願いします。

 日本の企業は、30年前の成功経験から抜け出せず、社歴の長い社員や役員が、社内で論理的で合理的な判断で仕事を進めてきました。そのせいで世界のユーザーは日本製品に物足りなさを感じています。
 当社も創業期の気持ちに戻り、お客様をしっかりと観察して、お客様が心から喜んでもらえるように、製品とサービスに磨きをかけていきましょう。