らしさを育てる

2023/08/04【社長のメッセージ】

 ”らしさ”を追求して成功している会社の一つとして、”無印良品”があります。
 無印良品は、商品にブランド名が付くだけで価格が上昇する現象に疑問を持ち、あえてブランドを与えないことで価格を抑える方が消費者に喜ばれると考えて、無印の企画が立ち上げられました。”シンプルで格好良いものが手頃な値段で買える”無印良品は、多くの消費者から支持を得ました。
 しかし、昨今100円均一や、無印良品と似たような商品を扱う店が増えたことで、「無印良品は値段が高い」と捉えられ、昨年度の営業利益は23%減、直近の四半期では前年同月比50%減となっています。
 現在、無印良品は ”らしさ”の追求に悩んでいると思います。

 当社の ”らしさ”とは、「使いやすさ」「丈夫さ」「アフターサービスが親切で速い」と考えています。当社は有り難いことに、リピーター率がとても高いです。多くのお客様は飯島電子の ”らしさ”に好感を持ってくれており、また期待をしてくれています。
 ところが、最近、当社はその期待に応える活動が、二の次になっているのではないかと心配です。

 現在、各部が力を入れている仕事は、
①新入社員が困らないように懇切丁寧なマニュアル作り
②作業時間を5%短縮
以上2つは、業界を問わず大切な仕事です。人材の入れ替わりに備えることや、作業時間を短縮することで安定して作業がおこなえるようになります。
 しかし、会社を継続させることは、最上位の目的ではありません。お客様により高い価値を提供することが目的のはずです。
 当社も慢性的な人材不足です。会社の成長のために投入できる時間は、せいぜい1~2時間/日だと思います。その貴重な時間は、飯島電子らしさである「使いやすさ」、「丈夫さ」、「アフターサービスが親切で速い」を強化する改善活動に時間に投入していきましょう。

 誤解がないように、2つ補足をさせてください。
 1つ目、マニュアル作成は仕事の基本です。そのための時間は投入すべきです。しかし、全体を満遍なく完璧なものにするのではなく、飯島電子らしさに関わる所とそうでない所で、投入時間にメリハリを付けるようにしましょう。
 2つ目、カイゼンの目的は、問題解決型の職場づくりです。コストが高ければ自分たちで下げる。品質やサービスが悪ければ自分たちで良くする。スピードが遅ければ自分たちで速くする。自分たちで問題を発見して、解決しようとする自律神経が張り巡らされた職場にすることです。(詳細は経営方針p33)これについては、全社員の日々の努力のおかげで、当社は自慢していいレベルになっています。
 小さなカイゼンほど 良いカイゼンです。効果の大きさよりも、いかに手間をかけないか、いいかにお金をかけないかを重視して、これからも自分たちで問題発見、解決できる職場にしていきましょう。