少子高齢化時代のビジネス展開

2022/07/01【社長のメッセージ】

先日、4年ぶりに国内最大級の食品工業展:FOOMAの視察をしてきました。来場者はコロナ禍前の2018年と同じ人数まで戻っており、熱気があふれていました。
フードロス問題が社会の重要課題となっていることもあり、当社のブースはマイナーチェンジした二カ国語切り替え機能付きRO-105の展示は大盛況でした。将来は、英語に加えて中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語を追加して、当社の強みである耐久性の高い製品、アフターサービス力、リモート営業力を生かして市場を広げていきたいと考えています。今後は外国語が得意な人材を採用して、本格的に当社の製品とサービスを世界に広めていきたいです。将来、当社が世界で認められる日が来ることを想像すると夢が膨らみます。

当社のように来場者が絶えないブースもあれば、閑古鳥が鳴いているブースもあり二極化していました。誰にでもできる単純作業を自動化することでコストダウンを提案しているメーカーのブースは、来場者がほとんどいませんでした。
大企業のきらびやかなブースが立ち並ぶ中、当社と同じ50人規模の会社の製品に、真剣に説明を聞き入る団体の来場者がいるブースが印象的でした。そのブースでは、一頭の豚から足を切断するロボットを展示していました。実物大モデルを使って説明されていましたが、目を背けたくなるようなグロテスクなものでした。
このロボットは、個体差のある豚の体を複数のカメラで3D計測して、人工知能を使って豚の足を正確に切断するロボットです。これまでベテランの社員が行っていた作業でしたが高齢で退職、しかし若者はその作業を嫌がり、後継者がいないようです。
汚れ役を引き受けてくれていた高齢社員の退職は、企業にとって大きな損失になっています。若者がやりたがらない仕事の自動化(省力化)に対して、企業は大きな投資を惜しまないようです。

当社の事業の一つに排水処理市場があります。3Kの代表的な仕事の一つで若者には人気がない仕事です。
これまで汚れ役を引き受けてくれていた高齢の社員の視線ではなく、それを引き継がなければならない若者の視点で仕事を見つめ直すことで、新たなニーズ、当社が取り組むべき仕事が見えてくるのではないかと思います。
現在設計部では、水質計を排水処理場に投げ込んでおけば、スマホを経由してデータを自動で転送してくれる試作品を完成させました。今日から1ヶ月間、お客様の現場で稼働させてもらいフィードバックをいただく予定です。

少子高齢化は当社にとってビジネスチャンスです。未来を担う若者の視点でニーズをつかんでいきましょう。