会社が絶対手放さない、優秀人材

2020/11/06【社長のメッセージ】

 私が人材採用を担当する立場で感じることは、当社は特殊な会社であるがゆえ、採用がとても難しいということです。当社は独自技術を活かした自社製品を生産、販売していますので、一人で仕事が出来るようになるまで最低3年かかります。そのため採用に当たっては主体性があり、ストレス耐性がある人材を採用することで、現場の社員に迷惑をかけないようにしています。

 当社を志望してくれる学生さんに対して、会社説明会では中立の立場で接するようにしています。学生さんたちは、今も昔も安定した企業を探しています。安定を求めるのは人として当然のことです。しかし、究極の安定とは、「どんな会社からも欲しがられる人材」「市場価値の高い人材」に、自分自身がなることです、と伝えています。

 私が、会社説明会に参加してくれる学生さんたちに伝えていることをお話しします。
 かつて多くの労働者が働いていた自動車や電機産業では、かなり以前から工場の自動化が進み、そこに働く人の数は大幅に減少しました。日本に限らず、人件費が高騰する中国などのアジアの企業も、自動化への取り組みが世界で同時進行しています。
 しかし、いかに技術が進歩しAIやロボットが人間の仕事に代替されても、会社が欲しい人材、手放したくない人材は必ず存在し、代替されることはありません。

どの会社でも求められる人材

(1)いつでも上司の代わりができるよう、自己のスキルを磨いている人
 上司を選べないからといって、上司の不満や非難をしているだけでは自己の進歩もありません。仲間から信頼され、上司以上に仕事ができる人材になれるよう、仕事に取り組む人です。

(2)企業に成長をもたらす人
 決められたことを決められたように遂行する作業は、ロボットやAIの方が向いています。AIは人間と違い、間違えることがないからです。こうした作業はマニュアル化できるので、誰にでもできることが多い。だから代替されてしまいます。
 その一方、常に問題意識を持ちながら仕事をして、企業に成長をもたらす仕事(業務改善や職場内の問題打ち上げ)ができる人を、会社は絶対に手放さず、他社に流出しないよう厚遇します。

(3)人材(後輩)を育成できる人
 有能な人は一人で何でもできることが多く、仕事が自己完結して、部下が育たないことがあります。後輩を持つようになったら、自分で容易にできる仕事は後輩に任せ、自分はより高度な仕事に取り組むようにします。後輩に仕事を放り投げるのでなく、後輩の成長と自己実現に繋がるように支援できる人は、市場価値が高い人です。
 有能な人材ほど、自分よりも有能な人材を集めて仕事に取り組みます。また自分が直接仕事に取り組まず、最適な人材に任せて結果を出してもらうために支援する立場に立つ人も、リーダーとして替えがきかない人材です。

 当社は大量生産を得意とする大規模企業と比べると、仕組みもマニュアルも完全ではありません。手と身体を動かして整備する過程で、自己の成長の機会に恵まれた会社です。 私たちはAIやロボット、低賃金の外注先に代替されないスキルを絶えず磨き、将来に備えて仕事に取り組みましょう。それが現役時代はもとより、定年後の再就職時にも仕事の選択肢を広げることにもなります。