常に考える

2020/06/05【社長のメッセージ】

 岐阜県に「未来工業」という少し変わった会社があります。
 電気設備のコンセントボックスなどの電設資材を作っているメーカーで、競合はパナソニックなどの大手ですが、国内シェアは70%です。
 未来工業の製品は、一つ以上の差別化がされていて、価格は高いのですが多くのお客様から指名買いをされているそうです。

 未来工業は、「1日の就業時間は7時間15分」「残業ゼロ」「年間休日 140日」といった独自の経営方針で知られ、2015年に第1回ホワイト企業大賞に選ばれました。創業者は真似をする事が大嫌いで、常識や習慣などを全て疑い、逆をやり続けた人だったそうです。

 未来工業を語るうえで欠かせない、いくつかの有名な社内ルールがあります。「ノルマ禁止」、「"報(告)・連(絡)・相(談)"禁止」などです。それで会社が成り立つのか心配になるかもしれません。「ノルマ禁止」といっても、売上目標や生産計画はあります。しかし、それが達成できなくてもペナルティはありません。未来工業では新製品が毎年500固以上生み出されています。こんなにたくさんの新製品が発売できるのは、お客様から情報を集めているからです。未来工業の営業マンの仕事は、「製品を売ること」と、「情報を集めてくること」。です。ノルマを取り入れて売上に固執すれば、売上ノルマは達成できるかもしれません。しかし、新製品の情報収集がおろそかになり、将来の新製品を出すことができなくなり、会社が立ち行かなくなるかもしれません。

 「"報・連・相"禁止」もインパクトの強い言葉です。上司に報告、連絡、相談して答えを教えて貰うのが一番ラクです。しかし強い会社を作るためには、全ての社員が自分の頭で考える習慣を身に付けることである、というメッセージなのです。

 私は数年前に、ある縁で未来工業の工場見学をさせてもらったことがあります。工場内には社是である「常に考える」の看板が至る所で見られます。
 当社の皆さんには日々の改善で、時間短縮を考えています。時間短縮の目的は、人減らしではありません。お客様から情報を集めてくる時間を作るためと、考える時間を作るためです。

 「常に考える」というのは、大変な仕事だと思います。人によっては、残業が多かったり、休暇が少なかったり よりもブラック企業かもしれません。

 自分にとってブラックとは何か?ホワイトとは何か?会社に求めるものは何か?自分が組織や仲間に出来ることは何か?

 常に考えていきましょう。