学歴と年収

2020/01/10【社長のメッセージ】

 年末年始の休み中、皆さんの年収を上げる方法について研究をしていました。
 国内の企業は、統計的に学歴と年収には相関があるようです。平均年収の高い大学は、順に東大、一橋、京大、慶応、東工大となっており、入学偏差値の高い大学です。

 ただし、この順位は30歳における平均値です。35歳以降は、高学歴で年収が高い人、高学歴だけれど年収が低い人、またその逆もあり、順位は入れ替わります。ではその差はどこにあるのでしょうか。

 高学歴の人材は、知識の習得や論理的思考力が優れているので、部下としては重宝されます。しかし35歳以降になると、部下をまとめるマネージャーやリーダーの仕事を期待されるようになります。すると、高学歴者であっても、マネージャーやリーダーとしての能力は、必ずしも高くないため、出世できない人材も出てきます。

 マネージャーやリーダーの仕事は、仲間の知恵を集めて、新たなアイデアを創出することです。そのために必要な能力とは何か。何よりも大切なのは、相手に対する細やかな配慮や、相手の気持ちを感じ取る「人間関係力」です。それがなければ、部下を励まし、育てることはできません。
 自分は、人前で目立つのは苦手だから、リーダーはやるつもりはないという方もいるかもしれません。しかし、将来はマネージャーやリーダーを意味する役職が無くなる時代が到来します。日本の除く先進国で、業績を上げている会社は、上下関係が無く一律横並びで、一人ひとりが主体的にリーダーシップをとって、チームワークで成果を出している会社が多くあります。その背景は、現在はニーズの変化が速いため、先輩社員の10年前の成功事例や勝ちパターンが通用しなくなっています。思考を固定化しないように、ヒエラルキー構造を壊しているのだと思います。

 リーダーとは、自ら高い目標を示し、力強く引っ張っていくイメージがあるかもしれませんが、それだけがリーダーの姿ではありません。仲間の眼差しや表情、声の余韻から無言のメッセージを受け取り、心の声で仲間を勇気づける姿もリーダーの姿だと思います。

 人生100年時代のいま、人間関係力は、60歳の定年後に再就職をするにも、地域活動を通して地域貢献するにも、全員に役立つスキルだと思います。