専務の退任

2018/08/31【社長のメッセージ】

 今日で30期は終わりました。結果は、昨年と比べて7.9%アップ、直近3年間の平均成長率は目標の3%に対して、5.9%となりました。
 5億円の大台も超えて、OEMを除く売上は、4期連続で最高額を更新することができました。
国内の景気が良かったことも大きな要因ですが、皆さんのご理解と協力のたまものです。製品とサービスの改良、そして組織の力も向上させることができた充実した1年だったと思います。

 専務が今日で退任されることになりました。
 当社は平成元年2月に 飯島精密工業から完全に分離し、スタートしました。今でこそ、銀行からの借入れはゼロ、自己資本90%の優良企業ですが、スタート当時は、多額の借金を抱えてのスタートでした。

 専務は税理士が舌を巻くほど財務諸表を熟知されていますが、スタート当初は決算書の読み方もわからなかったそうです。
 多額の借金をかかえ、手元に現金が無い状況で頭を悩ますのは、資金繰りです。
 現時点でどれだけ売れていて、どれだけ部品在庫を抱えていて、どれだけ利益がでているのかリアルタイムにわからなければ、資金繰りはできません。
 そこで平成元年に販売管理システムをつくり、平成7年に資材管理システムをつくり、その後、修理管理システムを作られました。これによって、売上と部品在庫がリアルタイムに把握することができるようになり、1億円あった部品在庫を半分の5千万円に圧縮し、自由に使える現金を確保することができ、少しずつ資金繰りがしやすくなったそうです。
 また、システム化によって会社全体の作業量を大きく減らすことができるようになりました。
 私は今、簡単に言っていますが、製品を作るためには部品表が必要ですが、当時は手書きのメモのような部品表でさえ全製品の10%しかなく、それも全体ではなく基板だけの部品表しかなかったそうです。部品表を作ったり、社内全体の作業の流れを整理されたりしてシステムを完成されました。

 スタートして10年間は資金繰りに苦労をされたそうですが、少しずつ借金の返済を重ね、私が社長を引き継いだときは、無借金経営で自己資本比率が90%の潤沢な財務基盤をつくられました。
 現在のように手元に現金があるおかげで、私たちは繁忙期の3月、4月に向けて製品の在庫を積み増しをしたり、余裕を持って部品在庫を持てたり、思い切った設備投入や設計の外部委託、営業の販売促進活動をおこなうことができるようになりました。
 専務は在職中に基幹システムを作ったり潤沢な財務基盤を築かれたりという会社にとって重要な骨組みを作ってくれました。
 特に女性社員にとっては、頼れる大先輩であり、お姉さんだったのではないかと思います。

 専務、ありがとうございました。