2018/05/11【社長のメッセージ】
来年3月卒業見込みの学生が会社説明会に来てくれています。今年は、求人倍率が一層上昇し、当社の会社説明会に来てくれる学生は前年比の6,7割です。
私は30分時間をもらって、会社のビジョンや大切にしていることをお話させてもらっています。学生さんに、「会社選びをする上で、最も重視している条件があれば教えてください。」と聞くと、
昨年までは、「自分の意見を言えやすい雰囲気があること。一緒に仕事をしたいと思える先輩がいること」を挙げてくれる学生が大半でした。
しかし、今年に入ってからは大きく変化し、「ワークライフバランスです。自分は仕事とプライベートをしっかりと分けたいので。」 (私)「・・・・。」売り手市場を肌で感じています。
内閣が働き方改革の実施を宣言し、ワークライフバランスという言葉が頻繁に聞かれるようになりました。
一方で、ワークバランスという言葉が一人歩きしているように感じます。大企業を中心にワークライフバランスを改善しようと、取り急ぎ残業を禁止しますが、
・従業員はこれまで支払われていた残業手当が得られなくなり、生活が苦しくなる。
・仕事が回らなくなり、仕事を自宅に持ち帰る。
・一旦、消灯して退社するが、再び戻ってきて暗いオフィスでひっそりと仕事をする。
・さもなければ、業績が落ちて、結果的に社員の収入が上がらない、または下がることにもなる。
単純に労働時間を減らしても、社員は手放しでハッピーになれない状況があります。
まずは、「ワークライフバランス」の意味を正しく理解する必要があります。
「ワークライフバランス」の間違った解釈として「仕事とプライベートをはっきり分ける」「新入社員の頃は、仕事が8、プライベートが2」みたいなものです。
ワークライフバランスとは、仕事とプライベートの比率のことではありません。また、仕事とプライベートのどちらを重視するか?という話でもありません。
「ワークライフバランス」の正しい解釈は、「生活と仕事の調和」です。本来、仕事は生活の一部であり、生活と仕事は相反するものではありません。
私たちが仕事をする目的は、生活していくためだけではなく、むしろ自分自身の成長や人の役に立ちたい、人から必要とされたい。人に認められたいという人が本来欲求しているものを実現するためだと思います。
生活と仕事の関係は、
・仕事で成果を上げるために、生活から知恵やスキルを身につける。
・仕事が短時間で成果を挙げられる。
・生活が潤い充実したものになり、さらに仕事のスキルアップが図れる。
ワークライフバランスとは、このアップスパイラルの好循環を、生活と仕事を調和させることで得られる相乗効果です。では、仕事で成果を上げるための 知恵やスキルをどうやって生活から身につけるか。
・社外の人と交流する
スポーツ、会食
自分たちの常識が、社外では非常識であることに気づくことがあります。
問題解決のアイデアをもらえることがあります。
・資格取得の勉強
必要な知識を過不足無く体系的に学ぶことができます。ペースメーカーになってくれます。
・一人で軽い運動(ジョギングやウォーキング、自転車、登山)
場所が変わることで素直な気持ちで、自分と向き合い自問自答することで新たな方法が見えてきます。
・読書
自分の実体験だけで、ビジネスをマスターするのは、効率が悪すぎます。
本から先人の知恵を授からないのはもったいないです。
・セミナーやビジネススクール
職種も経験も違う人たちと、本音でディスカッションすることは、知恵と思考を磨く良い機会になります。
ワークライフバランスとは、生活と仕事、どちらか一方を犠牲にするという話ではありません。また、会社から一方的に与えられるものでもありません。
生活と仕事の相乗効果によって、生活も仕事もより充実させていきましょう。