2017.01.06【社長のメッセージ】
今年の年末年始の休みは8日ありました。みなさんのお顔を拝見すると上手にリフレッシュしてくれたことがうかがえとても嬉しく思います。
当社はライバル企業が少ない分、他の業界と比べて少しのんびりとした雰囲気があるように感じています。私としては危機感を感じています。
少し前ですが、イギリスのオックスフォード大学が発表した論文によると、あと10年で消える職業、なくなる仕事は47%だというのです。要因は3つ、①過剰供給、②消費者の行動の変化、③技術革新、と言われています。
①過剰供給
コンビニは直近の10年で33%も増えました。需要が同じなら、1店舗当たりの売上は25%減ります。 接骨院は、直近の10年で63%も増えているそうです。接骨院の店舗数は、セブンイレブン、ローソン、ファミマの合計よりも多いらしいのですから、日本人がどれだけ骨折しているのかびっくりです。
②消費者の行動の変化
ネットを使ってすぐに全国で一番安いお店を、すぐに探すことができるようになりました。
店頭で商品を見て触って、実際に買うのはネット上の最安値の仮想店舗で、という具合に私達の消費者の行動が大きく変化しました。その結果、家電量販店の最大手であるヤマダ電機ですら、ピーク時の営業利益1,300億円だったのに、一時42億円の赤字に沈む状況に陥ってしまいました。
③技術改革
近年、人間に代わって働く機械、特にAIが飛躍的に進化しています。AIとは人工知能のことですね。私達が使っているパソコンとの違いは、大量のデータを与えるだけで分別するルールを自ら見つけ出し、より正しい判断ができるものです。チェス、将棋、そして最後の砦を言われた囲碁でも世界最強のプロも人口知能に負けてしまいました。
AIの強みは学習スピードにもあります。全世界の囲碁のプロ1,000人が毎日囲碁をして1年で20万局しかできないところを、AIはAIを相手に短期間に3,000万局の対戦をして学習したそうです。
AIは医療の分野でも活躍が期待されています。AIにがん研究関連の約2千万件の論文を学習させたそうです。
60代の女性が「骨髄性白血病」と診断されて入院。抗がん剤治療を続けていました。しかし、 回復が遅く、様態が悪化したことから、女性の遺伝子データをAIに入力したところ、女性が「2次性白血病」と診断し、抗がん剤の種類を変えるように提案。その後、女性は回復し無事に退院したそうです。
サービス業では、人と人とが複雑なコミュニケーションをしなければならないことから機械化することは難しいと言われてきました。ところが、私達が利用する回転寿司では、注文は人間ではなくタブレットが普通になってきました。私達はウェーターよりもスピーディーでかつ、人件費を下げて、その分を食材にコストをかけてくれることを歓迎します。
ロボットとの会話は、今でこそ簡単なやり取りしかできないかもしれません。私の携帯電話は相変わらずガラケーです。iphoneには人の会話を理解し返事をするシリというアシスト機能がついているのですね。友人のiphoneを借りて音声認識力の進化に驚きました。
人生って何? ・・・・ 「このような疑問について考えることです。」
(もう一度)人生って何?・・・・・「人に親切にすること。いい本を読むこと。食べ過ぎないこと。信条や国家を問わず、あらゆる人々と平和に仲良く暮らせるように努力することです。」
携帯電話でこんな深いやり取りができるなんてすごい世の中になったと感心しました。近い将来、企業向けに電話受付ロボットが実現すると聞いていましたが、遠い未来ではないと直感しました。
AIと組み合わせたロボットの進化もすごい勢いで進化していると言われています。これまでの産業ロボットは同じ事の繰り返ししかできませんでした。ところが人工知能と組み合わされたロボットは、想定外のアクシデントがあっても自ら判断して対処してくれます。さらに低価格化も進んでいます。すでに中小企業向けに200万円を切るロボットも販売が開始されています。
オックスフォード大学は、あと10年で消える職業、なくなる仕事は47%と公表しました。
銀行の融資担当者、スポーツの審判、ホテルの受付係、電話オペレーター、スーパーのレジ係、タクシードライバー、バス・トラックのドライバーなど
将来、ロボットが職場にあふれ、仕事を奪われた人間が失業者になっていく様は、想像するだけで恐ろしい気がします。しかしこれは人類にとってこれは歓迎すべきことかもしれません。
人間は機械にできることは機械に任せて、より高次元でクリエイティブなことに集中することができるのです。人間に出来て、機械にできないこと。それは、「お客様や後工程のスタッフが喜んでくれることを考えて、実現するために努力をし続けること」です。
それは、私達の仕事がロボット化される、されないに関わらず、我々職業人として基本的な心構えです。今年一年、人間らしい仕事とは何か?を考えながら、一緒にがんばっていきましょう。