全社で生産性を上げる

2018/07/06【社長のメッセージ】

ライバルの模倣
 今日、皆さんにライバルメーカーの製品を見てもらいました。各所が似ていましたね。
 メーカーであれば、ライバルのいいところを取り入れることは当然のことで、ひいては社会へ貢献に繋がると思います。しかし、お互いに真似するだけに終始すれば、価格競争となりお互いに利益がゼロになります。それを避けるために当社は、これからも差別化された製品やサービスを提供し続けていきましょう。
 一歩先を歩いているメーカーが真似をされるのは当たり前。真似をされてもさらに改善されたものを生み出していきましょう。見ただけでは真似をされない基礎技術を構築していきましょう。

人材が少なくなる現場における働き方
 今日はそれを実現するための働き方を伝えたいと思います。
 「額に汗して働く姿は尊い。しかし、いつまでも額に汗して働くのは工夫のない話である。それは東海道を新幹線にも乗らず、昔と同じように歩いているのと同じである。」松下幸之助
 当社においては、売上が前年度比8%アップの状況において、早出と残業をして長い時間働くことは尊いです。しかし、今までよりも少ない時間で働いて、今まで以上の成果を上げることは、さらに尊いです。これが、今後人材がどんどん少なくなる日本で求められる働き方です。

生産性向上の意識
 意識すべきは、生産性の向上です。当社では平均1時間の早出と残業をしてくれています。13%の生産性の向上ができれば、今までと同じ成果を定時で終了することができます。
 当社だけでなく、日本の製造現場では、ストップウォッチを使って秒単位で時間短縮をしています。ところが、日本の営業や設計などクリエイティブな業務では、この生産性向上に対して、欧米と比べてあまりに意識が低いと言われています。

人事の現場の生産性向上
 たとえば新卒採用では、当社のエース級の人材を投入しています。なぜなら、今の学生の志望動機は一緒に仕事をしたい先輩がいるかどうか、だからです。
 当社にとって望ましい学生を採用するためには、たくさんの学生を会社説明に誘導して、一次面接や適性検査をして役員面接に繋げていきます。そのためにエース級の人材は、会社説明会を1回実施するためには4時間、1次面接をするため一人当たり2時間要します。
 それで今期内定を出せたのは3名です。理想的には3人の学生に対して会社説明会を実施して面接をして3人に内定書を出すことです。
 人事の課題は、とりあえず応募する。滑り止めの内定書が欲しい。という学生を減らすこと。「いかに多くの学生を引きつけるか」ではなく「いかに自社が欲しい学生だけを引きつけるか」に切り替える。それは、募集要項に「明るく元気な人」ではなく、「在学中にリーダーシップを発揮してきた人」など、学生自身が応募したいのか、やめるべきかを判断できるようにして、お互いに無駄な作業を減らす工夫をすることで生産性を上げていきたいと思います。

設計の現場の生産性向上
 設計部でも生産性を上げる余地があります。設計部では実験で何かを意思決定しています。その際に、先に思いつく限りの実験をしてから、その実験結果から何を意思決定するかを考えていては無駄な実験をしてしまうでしょう。そうではなく、先に仮説を立て、それが正しいことを証明するための判断条件を決めてから実験すれば無駄を最小限にすることができるはずです。実験をしていて新たに課題が見つかれば、その実験計画を追加してから実験を実施すればいいのです。

全ての職場で生産性向上
 製造現場だけでなく、全ての職場で「生産性向上」を常に意識していきましょう。
「生産性がどんなに低くても、最終的に出てきた結果が良ければ何も問題が無い。」という労働力投入型ではなく、「高い成果を、高い生産性で生み出してこそ、高い競争力が維持できる。」という発想にかえていきましょう。

 全社員が生産性を強く意識することで、ノー残業で高い収入が得られる職場に変えていきましょう。