一隅を照らす

2021/10/01【社長のメッセージ】

 先日、みなさんに今期の経営方針を配布しました。当社の経営で大切にしていることは、全員参加で成果を出し、仕事を通して全社員が幸せになることです。
 ひとり一人にやっていただきたいことが書かれています。ご自身の役割を理解し、協力して成果を出していきましょう。

 最澄が残した言葉に「一隅(いちぐう)を照らす、これ則(すなわ)ち国宝なり」があります。
 「一隅を照らす」とは、一人で大きく世界を変えようとするのではなく、まず目の前のこと、今自分に出来ることを一生懸命やる。そうやってひとり一人が灯す小さな光が、やがて大きな光となる。その光は国全体をも照らすことになる。という意味です。これは私たちのビジネスにおいても当てはまることが多いと思います。
 身の回りの誰も気づいていない一隅にスポットライトを当て、「何とかしよう」と変化を起こすことこそが尊いのです。
 一隅とは皆が気づいていない ほんのかたすみ、一角のことを指します。それが転じて、本当は解決すべき問題にもかかわらず、見て見ぬ振りをしているものという意味もあります。
 その一隅に焦点を当て、「何とかしよう」と変化を起こす人が国の宝であり、人として最も尊敬されるべきだと最澄は言っているのです。
 私たちは日々の仕事の中で、問題を発見することがしばしばあります。たとえば、自分の作業手順と標準書に書かれている内容が違うという基本的な問題や、新製品の試作評価段階でごく希に想定外の動作をした時。お客様からの質問に対してあやふやな回答をして、その場をやり過ごしてしまった時。

 自己満足も突き詰めると、自分だけでなく会社の仲間もハッピーになった方が満足度は高くなります。私たちは皆、先輩から仕事を教わり、引き継いだ仕事は、改善を加えて、後輩に引き渡していくことで一つ光を放ちます。
 自分の手に余るような大きな事でなく、自分が得意な分野で、自分なりの一隅を照らすことが大事だと思います。

 当社の社員50人の各々が、一隅を照らすことができたら凄いことになると思います。 私たちは社会の片隅に生きつつ、ひたむきに自分の役割を全うすることで、社会を明るく照らすことにつながり、ひいては国の宝になるのです。