「AIとの共存」

2023/02/03【社長のメッセージ】

 最近、AI(人工知能)が世間を騒がせています。2022年8月にアメリカのコロラド州で開催されたコンクールで、AIが描いた絵「宇宙のオペラ劇場(和訳)」が1位になったそうです。しかし、創作物は人間の仕事と信じている芸術家たちから「インチキだ」などと激しい非難の声が起きているそうです。
 AIと言えば、チェスや囲碁、将棋でAIがプロに勝ったことが話題になります。ゲームのような明確なルール上で、最適な一手を選択するだけのイメージがありました。よって、AIが私たちの仕事を奪う日は、もう少し先かなと たかをくくっていました。
 ところが2022年11月、まるで生身の人間と会話していると錯覚させるAI(ChatGPT:チャット・ジー・ピー・ティー)が現れて、検索エンジンの大御所のグーグル社が社内に向けてコードレッド(緊急事態)を発動しました。

 私たちは、知りたいことを検索するためにキーワードを入力します。実は、キーワードが思い付いた時点で、人はその答えを6割以上分かっていると言われています。本当に分からない事は、キーワードすら思い浮かびません。
 AIは個々人の思考や行動パターンを学習する過程で価値観や嗜好を憶えていきます。キーワード入力ではなく、文脈から最適な提案をしてくれるようになるでしょう。AIの性能が向上すると、人はキーワード検索をしなくなります。グーグルにとっては緊急事態です。

 このChatGPTは誰でも無料で使う事が出来ます。私も恐る恐る使ってみました。
 
 当社の主力製品であるRO-105シリーズのよくある質問と回答例をAIに憶えさせて、会話形式で質問をすると流ちょうな日本語で回答してくれます。AIが言葉の内容を理解していることがわかります。英語や日本語だけでなくドイツ語やフランス語、スペイン語、ペルシャ語等にも対応しているそうです。
 当社の営業部では「よくある質問集」が製品別に構築されています。これらの情報をAIに教えることで全世界24時間対応が可能になります。
 また、営業部だけでなく他部署においても作業標準書や規定があります。それらをAIに教えることで、新人たちは会話形式で質問すると答えを得ることができるようになるでしょう。(何度も同じようなことを聞けることは、新人にとっては嬉しいことです。)

 高度なAIが利用できる環境では、お客様の課題を素早く解決するために、情報の質と量の蓄積が差別化の源泉になっていきます。私たちは日々の業務で得た知識やカンコツを個人の頭にしまっておかず、言葉にしていきましょう。
 今後、AIが私たちの生活で一層身近になってきています。私たちがAIに仕事を奪われないために、人間にしかできないスキルを身につけることを意識しています。それに加えて、AIを活用して共存共栄できるように知識を明文化していきましょう。