「値決め」

2023/01/13【社長のメッセージ】

 年始に正社員さんと個人面談をしました。入社2年目以上のほとんどの社員が、本を買って読んで刺激を受けたと話してくれました。日本の年末年始休暇はダラダラ寝て過ごすものです。当社の社員は勉強熱心な方が多いと感心しました。また、「昨年までやってこなかった事で、新年から新たにチャレンジしたい事は何ですか?」との問に、全員が目を輝かせて力強く回答してくれたのは印象的でした。私自身は熱意だけは一番でなければいけないと思っていますので、身が引き締まる思いです。

 2月1日から製品の一部の価格を10~19%値上げをさせていただきます。目的は物価高騰に合わせて、社員の給料を上げるためです。日本の企業は、円安とエネルギー高騰でコストが上がっているにも関わらず、販売価格にまったく転嫁(上乗せ)できていない会社の割合は31%だそうです。(2022年11月)

 販売価格に転嫁できた会社でさえ、コストアップ分の1~2割しか転嫁できなかった会社が40%で、全額転嫁できたのは4%未満です。コスト上昇分を販売価格に十分転嫁できない場合、残りの部分は会社の負担になるため、会社経営に大きく影響します。

 販売価格への転嫁が進みにくい要因として、「価格競争が激しくて、価格を上げたら売れなくなる。」「親会社が許してくれない」などです。

 対策は繰り返しになりますが、お客様が高くても買いたくなる魅力的な製品とサービスを提供する努力をし続けることです。これしかありません。

 年始に私からメッセージを発信しました。「仕事と趣味の違いは、仕事は人の役に立つもの。人の役に立たず、自己満足なものは趣味です。8時間で、お客様の利益になる製品とサービスの本質的を磨くことに、可能な限り多くの時間を投入しましょう。」と伝えしました。見せかけだけで、人の役に立っていない作業は趣味です。作業の断捨離をしましょう。断捨離とは、単に不要な物を処分するだけでなく、形への執着を捨てシンプルに生きていく考え方そのものを指すそうです。仕事の本質は、お客様へより多くの利益を提供することです。

 「良いものを安く提供することで、より多くの方に使ってもらう。」という理念は、販売価格を上げることで売れなくなる恐怖心に対して、値上げをしない決断の言い訳に使ってはならないと考えています。酸素計を生産している会社は当社だけではありません。お客様は必要としている性能と機能に対して、それに見合う価値があると判断すれば購入します。お客様には選択の権利があります。

 当社は、高価格に見合う製品とサービスを提供し続けるために、多額の投資をしていきます。それは、製品の組み立て手順や検査方法の改善等も含まれます。社員への報酬も上げる必要があります。値上げは悪ではありません。経営スタイルの選択です。  2/1から値上げをします。値上げ分を原資に、物価高騰対策として社員の昇給をします。お客様が、当社の製品とサービスの品質に対して、値上げを許して下さるのか、みなさんも見守ってください。